この「野菜」を誉めよ!《タマネギ》



 ベジタブル・チャンピオンシップ(野菜選手権?)というようなトーナメントがあれば、最終戦に残るのはタマネギとキャベツであろう。つまり、野菜の中で何がいちばん強いか、有用か、汎用性があるか、エライか、を懸けた闘いにおいて、これら二つの野菜以外の決戦を考えられるだろうか?


 「ジャガイモ!」、オウ、ノウである。「ニンジン!」、オウ、マイガッ。「ハクサイ!」、ユー・ステューピッ・バスタードである。


 たしかに、ジャガイモとニンジンは、タマちゃんとキャッシーにとって強敵ではある。その実力は侮りがたい。とりわけ、ジャガイモとニンジンが日本人の子ども、いや大人にとっても"最好"のレシピであるカレーライス(ライスカレーとも)において必須の食材であることの意味は大きい。その点、キャベツはちょっと不利かもしれない。しかしひょっとしたら、カレーにキャベツを入れる愚か者もいるのかもしれない。世の中何が起こるか分からない今日この頃であるのだから…。


 しかしながら、ジャガイモとニンジンは、もうひとつの日本人の定番食、インスタントラーメン、それもあの元祖即席めん「チキンラーメン」において不適切な具材である、という理由で、ベジタブル・チャンピオンの名に値しないというのは自明であろう。これらが熱湯3分間で食せる具材となるには、日本農民の更なる品種改良の努力を待たねばならない。


 さて、野菜王者決定最終戦に残るであろうタマネギとキャベツであるが、私はタマネギ優位と見ている。何人かに予想を聞いてみると、ほぼ半々の数字だった。しかし私がタマネギ優位と見る理由は、もうひとつの日本のB級グルメ食「チャーハン」のことが頭にあるからだ。チャーハンにタマネギが必須であることに疑いを差し挟む者はいまい。「わたいは、チャーハンにも、チキンラーメンにも、カレーライスにもキャベツ入れまっせ」などというお人がいたら、教えてもらいたいものだ。


 それやこれやの理由で、私はタマネギを野菜チャンピオンに推したいと思う。もし、疑義、反論、クレームなどのある向きは、市民ライター通信編集部まで。大いに議論を戦わせたいものである。(タマネギ王):市民ライター通信2004年6月( http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/ )