大川端だより(414)


今日、朝の「はなまるカフェ」に漫才コンビ「ロザン」の菅ちゃんと宇治原くんが出ていた。宇治原くんは京大卒のクイズ王として全国的につとに有名だが、菅ちゃんは関西でこそ大阪ガスのCFでも有名なのに全国的にはおそらく知名度では宇治原くんに大きく水をあけられてているのだろうと思う。菅ちゃんは、宇治原君と同じ大阪教育大学附属高校の出身で大阪府立大学中退であるが、漫才のネタは彼が考えているみたいだし、宇治原に京大進学を勧めたのも彼だったらしい。


昨日たまたま書店に立ち寄ると、『京大芸人』という本が平積みされていたが、著者は宇治原くんではなく菅ちゃんであった! 結構売れているらしい。ロザンの漫才はそんなに面白いとは思わないが、二人が何かのゲストとしてフリートークしているのにはとても笑わせられるし、ほのぼのと心温まる感じがする。


その理由は、おそらく彼らがお互いのことが大好きで親友同士の親密感がそこはかとなく漂ってくるからだろうと思う。似ているのは「シャンプーハット」のコイちゃんとテツジの場合で、このコンビもテツジがコイちゃんのことが大好きなのである。このコンビはまた、大阪大好き人間でテツジは東京進出にある種の色気を示しているが、コイちゃんは大阪でやっていけたら十分…という感じのノン・ハングリー精神が好ましい。


この二組のコンビを見ていると、松本・浜田の「ダウンタウン」のように強烈なライバル同士で、ゲストをこき下ろしたり、弱者(ブス、ハゲ、チビ等)をネタにするような強者の笑いが競争社会、マーケット至上経済の徒花のように見えてくるから面白い。紳助にしてもサンマにしても、どうしてもブスやオバサンをからかって笑をとり、可愛い子や美人、男前を誉めそやすスタイルをずっと踏襲しているが、そんな差別的な笑いがいつまでも続くようには思えない。そういう意味では、二人とも学歴の高いロザンにしても、どちらもハンサムなシャンプーハットにしても変なコンプレックスが無く、人権重視時代、地域経済中心時代のニューウェーブなのかもしれないなあ。