大川端だより(393)


天神祭りも終わり、恒例のウォロの夏の拡大編集会議も終わり、今日は高齢者外出介助の会の企画会議だった。そして、7月最終日なので、メルマガ「市民プロデューサー通信」の163号を発行したのだが、まぐまぐのシステムが変更されて、無料のメルマガと有料のメルマガを一緒に管理するようになり、発行予約の仕方が変わっており、いくらやっても発行できない。メルマとEマガジンでは発行できたが、まぐまぐで発行できなかった。後で再度挑戦しようと思う。下記は今日メルマガに書いた記事と第20回の市民活動サロン「遊学亭」のお知らせです。


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┃┃■ 黒ビールでも飲みながら……(140)
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 「急激に高まっているベーシック・インカムへの関心」:その(1)


ベーシックインカム・実現を探る会/フォーラム・スリー主催の「第2回ベ
ーシック・インカム入門の集い」(2009年3月8日 於:タワーホール船堀)で
関曠野さんの講演録「生きるための経済 ― なぜ、所得保証と信用の社会化
が必要か ―」(http://bijp.net/sc/article/27)を読んだ。知的刺激に満ち
た講演録である。関曠野さんは、1944年生まれで、共同通信記者を経て、1980
年より在野の思想史研究家として文筆活動に入られた方だという。


▼関さんの論点(クリフォード・ヒュー・ダグラスの「社会信用論」を援用)
をぼくなりに要約すると、現在の経済危機は単なる「不況」ではなく、「恐慌」
であり、それを解決するためにはベーシック・インカム(以下「BI」と表記)
を導入し、財源として政府貨幣を使うべし、ということである。


▼関さんによると、不況と恐慌の違いは、「不況というのは資本主義のシャッ
クリやくしゃみのようなもので、企業の在庫調整で片が付く。これに対し、恐
慌は資本主義の原理的な矛盾や欠陥に起因するもので、その矛盾や欠陥にラデ
ィカルに取り組むことなしにはどうにも解決しないものである」とのこと。


▼現代は、資本主義の成長の限界が見えてきた時代である。マーケットの飽和
状態、技術革新の停滞、資源と環境の危機などが原因で、「70年代から全世界
的に先進国の企業の収益が低下し始め、今なおこの収益低下が続いております。
かつての活力を企業は二度と取り戻せないように見えます。それが現在の恐慌
まで行き着いてしまったと言える」と関氏は語る。


▼1980年代には、レーガンサッチャー、中曽根首相などによって、何とか資
本主義の停滞と混迷から脱出しようとして、新自由主義市場原理主義やサプ
ライサイド経済などと言われる金持ち優遇政策が取られ、ブッシュや小泉に受
け継がれたが、関氏に言わせると「いろんな言葉が使われていますが、一番わ
かりやすい言い方はリッチマン革命でしょう」となる。金持ちの贅沢心を刺激
剤に、経済を活性化するという政策である。庶民は、金持ちのおこぼれにあず
かればよい、という論法で、富裕層や大企業に対する優遇を正当化した。しか
し結局、「リッチマン革命」は頓挫し、バブルが弾け飛んで、現在の経済的惨
状に陥ってしまった。


▼日本の自公政権や米国のオバマ政権を含めて各国の政府が現在おこなってい
る経済対策は、今までと同じような不況対策であり、いくらそんなことをして
も、「資本主義の原理的な矛盾や欠陥に起因する」恐慌は克服できないという。
もっとラディカルに「すべての国民に一律無条件に生涯にわたり一定の基本所
得を保証する」BI制度を導入する以外に打つ手はないというのである。


▼なぜBIか、というと、今の資本主義の問題が生産力(供給)の問題ではな
く、分配の問題だからである。供給過剰で、モノは市場に溢れているが、格差
社会で窮乏化人口がどんどん増えているから、フツーの人々に消費にまわせる
金銭的な余力がない。つまり、財貨の分配がものすごく偏っているのである。
それを是正するためにも、社会の構成員すべてに基本的収入(BI)を保証し、
衣食住の困窮を解消する必要がある。「完全雇用」という考え方には無理があ
って、関さんは、「いろいろな研究によると現代ではオートメ技術をフルに活
用するなら全労働人口の四分の一程度ですべての生産ができてしまうようです
ね」と言っている。つまり、ほとんどの現代人は、潜在的失業者なのである。
                            (次号に続く)


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  エンパワーと ひらめきのために!!!
■市民活動サロン「遊学亭」第20回のお知らせ
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■第20回お題

犬猫問題には社会のいろんな問題が凝縮
〜犬猫保護活動に取り組んで〜

中之島公園再整備工事のため取り残された猫たち70匹。
ネコ好きのボランティアと公園事務所の協働による救出作戦は
いかに進められたのか? そして、猫たちの現状は……。

<こんなお話をお伺いしようと思っています!>
中之島公園猫対策協議会の発端は?
○公園事務所との協働の経緯は?
○募金活動をしない理由は?
○「地域猫」活動のこれからの可能性は?

■開催日 2009年8月30日(日)14時〜17時

■第20回ゲスト
 大阪市動物愛護推進員
 荒井 りか (あらい りか) さん
   ×
■第20回亭主 市民活動プロデューサー協会
吐山 継彦 (はやま つぐひこ) 

■会場:大阪NPOプラザ3F 会議室C (大阪市福島区吉野4-29-20)

■参加費:1,000円

■定員:20人(先着順)

■主催:市民活動プロデューサー協会・大阪ボランティア協会

■お申し込み方法
【1】WEBからの申込み http://www.osakavol.org/b-yugaku/index.html 
   または「遊学亭」で検索
【2】メールによる申込み npo@osakavol.org あてに、
「第20回市民活動サロン「遊学亭」(8/30)に参加します」と明記して
いただき、「?氏名、?所属(ない場合は結構です)、?期待・知りたいこと、
?緊急連絡先(事務局のみ使用します)」をメールにてお送りください。
★原則として、受付受理の連絡は行いません。当日、直接会場に
お越しください。
★申込み票の記載内容のうち、緊急連絡先以外は、主催者・ゲスト・
参加者の間で共有します。なお、利用後は適切に破棄します。
申し込み・問い合わせ先
大阪ボランティア協会「遊学亭」担当(白井)
Tel:06-6465-8391 Fax:06-6465-8393
〒553−0006
 大阪市福島区吉野4-29-20 大阪NPOプラザ100号

■遊学亭とは
 市民活動サロン「遊学亭」は、毎回違う人が「亭主」※になり、亭主自身が
注目している市民活動家をお招きし、サロンを開催します。「遊学亭」では市
民活動に必要な「ひらめき」「新しい刺激・情報」「出会い」「充電」などの
機会を参加者のみなさんとともに共有できるよう、亭主自身が進行やもてなし
を工夫します。もちろん一方的なお話しだけではなく、発題の後に参加者同士
の話し合いの場は毎回確保されます。開けてびっくり玉手箱のような、新鮮な
サプライズと遊び心満載の仕掛けをお楽しみください。 
※「亭主」とは遊学亭の主人の意味で、男性をさすものではありません。

■「遊学亭」のだいたいの進行:14時「チェックイン」→14時15分「ゲ
ストのお話」→15時15分「フリートーク」→16時「お茶を楽しみながら
ワイワイと」→17時「サロン終了」→終了後「希望者は二次会へGO!」
※変更することがあります。

■【ゲストプロフィール】
★荒井 りか(あらい りか)さん
大阪市動物愛護推進員。15年ほど前から犬猫の保護活動を始める。また、猫の
遺棄や増加による苦情を憂慮し、5年前から「地域猫」活動の普及に取り組む。
「動物との共生と環境を考える会」及び「中之島公園猫対策協議会」代表。
 2007年11月1日に始まった中之島公園の再整備工事に伴う猫約70匹の保護
及び里親探し活動に行政とボランティアの協働で取り組んできたが、今も残り
30匹の猫が保護されている。工事による保護期限は最長で来年3月まで。保
護小屋の存続を目指して、これからの在り方を行政と検討中。
■【ゲストからのメッセージ】
 たった1匹の子猫を拾ったことが縁で、犬や猫の保護活動を始めることにな
りました。ペットブームだと言われていますが、その影で遺棄されたり殺処分
される犬や猫もいます。虐待や飼育放棄があったりもします。その現状を変え、
動物たちを救えるのは人間の考え方・モラル次第だと思います。一人ひとりの
意識が変われば大きな変化となり、モノとして殺処分される動物の数も減少し
ます。これは動物だけの問題ではなく、社会全体の問題です。そこには地域社
会のつながりも、子供に対する教育も、あらゆる内容が含まれています。私の
活動はほんの一端にすぎません。たくさんの方がいろいろな場所で同じように
活動されています。私がお伝えすることによって少しでも現状を知って頂き、
保護活動が広がっていけばとても嬉しいです。

■【亭主プロフィール】
★吐山 継彦(はやま つぐひこ)
企画・編集事務所「言葉工房」代表。1992年ぐらいから大阪ボランティア協会
に出没。市民プロデューサー養成講座、市民ライター養成講座、フィールドワ
ーク市民塾、自治の学校、等々のチームで活動。
大阪ボランティア協会 評議員・常任運営委員
市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』編集委員
(特活)高齢者外出介助の会 理事など。
■【亭主からのメッセージ】
 ぼくはイヌ年生まれですが、ネコの方が好きです。でも犬も可愛いです。動
物は大体どれでも好きですが、蛇やムカデは嫌いです。また、食べ物として、
牛、豚、鶏など、どれも好きですが、犬や猫は食べません。これって変やけど、
人間とはそういう生き物です。矛盾をはらみつつ、ネコもイヌもヒトも生きて
います。

■【主催者プロフィール】

★市民活動プロデューサー協会
 http://www.jcapa.com/
 2005年設立。市民活動を立ち上げ活動するリーダー(市民活動プロデュ
ーサー)の養成と、協働プロセス支援を行っています。

(福)大阪ボランティア協会
 http://www.osakavol.org/
 1965年設立。全国に先駆けて誕生した市民活動総合支援センターです。
さまざまな問題解決に取り組もうという多様な市民の意欲を高め、励まし、支
援することで市民活動を活発にし、市民社会の創造をめざします。