大川端だより(383)


長い間使っていなかったデスクの引き出しを整理していたら、何枚もの古い写真や昔作った企画書なんかが出てきた。中でも懐かしかったのは、1988年3月16日の大阪城ホールにおける「ミック・ジャガー・イン・ジャパン」コンサートの半券と、ピーター・ドラッカーが1990年10月に東京と名古屋で行った講演のドラフト(草稿)のコピーである。


前者は、もう20年以上前のことになるから、ミックは40代後半だったと思うのだが、ステージを走り回ってシャウトする彼の精力的なパフォーマンスに心底驚いたものである。カッコ良かったなあ。あの時はストーンズと一緒ではなく、ミックが独自のバンドを引き連れていた。ぼくも昔は、各地で数々のコンサートに行ったものだが、城ホールでのこのコンサートと、バンクーバーで見たボブ・マーリー&ウェイラーズのものが最高だった。これは80年代前半だったと思う(…でしたかしら?Hさん)。


ドラッカーの講演の草稿は、仕事つながりである人から手に入れたものだが、A4ダブルスペース31枚で、ところどころドラッカー自身の書き込みと思われる手書きメモがある。ザット読んでみたが、ある日本の流通企業の20周年の記念イベントでのスピーチで、1990年に、これから世界的に重要になるのが環境とテロだと言っていたり、インドの発展の可能性を高く評価していたり、講演時から10年〜20年先に起こるであろう世界情勢を一点の狂いもなく予測していることには本当に感心した。ものすごくいい講演で、さすがドラッカーだと思った。それにしても、あのドラッカーでさえ、1時間か1時間半の講演だと思うのだが、これくらいちゃんとした草稿を作るのだなあ。この講演は実際に聴いたわけではないが、理路整然と分かりやすく、未来を分析しており、やはりドラッカーはスゴイ。でも、コピーだから、お宝にはならないだろうなあ(苦笑)。