大川端だより(347)


赤江玉緒さんや鳥越俊太郎さんが出ている朝のニュースワイド番組で、今週ずっとスウェーデンのことを取り上げている人口規模や歴史、政治風土なども日本と全然違うので、参考にならないかというと、まったくそんなことはなく、学ぶべきところが多々あると思う。


写真の新書『人間回復の経済学』でも後半、スウェーデンの経済政策や地域自治NPOセクターのことなどを取り上げているが、今までの日本のアメリカ追従型の行き方が行き詰っているなか、あるべき方向性のヒントをたくさん与えてくれる本である。


とりわけ、工業社会から知識社会へ、という流れのなかで、人間の創造(想像)力や構想力が一番重要になってくるから、人々の安心・安全、地域社会の住みやすさや魅力、市民自治といったものを大切にすることこそが競争力をつけることになり、優秀な人材が居着いて、結果的に新しい産業の集積が可能となる、という意味の指摘は、とても納得できるものだと思った。


アメリカン・モデル追従から、スウェーデン・モデルを学び、良い所をどんどん取り入れていく時代になっていきそうな予感がする。昔むかし(70年代初期)に2週間ほど、ストックホルムに滞在したことがあるが、すでにその頃、図書館でレコードとか映画(ビデオ?)を借りることができる、ということに驚いたことがあった。