大川端だより(332)
皆さん正月三が日はどのようにお過ごしでしたか。私は、12月27日にボラ協のアソシエーター研修で講師を務めたあと、忘年会に出て、月曜日の29日が仕事納めでした。
そのあと例によって「七人の侍」をビデオで見て年を越しました。今回の「七人の侍」でもっともかっこいいなと思ったのは加藤大介扮する七郎次です。リーダー勘兵衛(志村喬)の元部下なんですが、村人を助けるための侍を探している時、たまたま道で二人は再会します。勘兵衛が「ついて来るか」と訊くと「はい」と一言、七郎次。「今度こそ死ぬかも知れんぞ」と念押しする勘兵衛。黙って笑顔で答える七郎次。七郎次の勘兵衛に対する無償の献身を笑顔で演じる加藤大介はスゴイ。
そのあと、酒を飲んだりテレビを見たり、本を読んだりして過ごしましたが、3日にオバ二人を訪ね、水炊きをつくってあげました。普段は福祉サービスのお弁当を配達してもらっている二人は、温かい豚肉とカキの水炊きをとても喜んでくれて、たくさん食べてくれました。これからも年に何回か鍋をしようと3人で約束しました。
読書は、年末に入手したポール・ハーストの原書『Associative Democracy』を読み始めましたが、英語力の低下は著しく、とくに語彙力は驚くほど下がっています。文法的なところは余り問題なく読めるのですが、意味を忘れている単語が多くて、絶えず英和辞典を引かなくてはならないので、なかなか前へ進みません。考えてみれば予備校や英会話学校で教えていたのはもう20年以上前のことですから、それも仕方がないことですが、悲しいことです。
20年前に英語学校で教え子だったAさんが1月1日の記事にコメントを書いてくれています。経済成長神話に疑問を持っている人は多いようですね。ぼくが愛読している「インターネットで読み解く」というメルマガでも同じようなことが書かれています。http://dandoweb.com/backno/20090104.htm
しかし本当に時の経つのは早いものですね。私はそんなに長生きするとは思いませんが、皆様何卒これからもよろしくお願いいたします。皆様のご健康と幸せを心より祈念しております。
下記は、アソシエーター研修で使ったレジュメです。
■ボラ協のミッションとこれからの世界 (081227 by thayama)
「これから素的な世界になる〜金動説から民動説へ〜」
◆◆◆◆◆◆◆虚飾をはがして「素」にもどる◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1.2008年9月15日
潮目が変わった日(パラダイム転換)
2.1965年
3つのアソシエーションの誕生
3.アソシエーション革命
「確かに、われわれはグローバルな『アソシエーション革命』のただなかにあり、これは、国民国家の台頭が十九世紀後半に対して持ったと同じ重要な意義を二〇世紀末に対して持つ、ということが明らかになるかもしれない。最終目標は、ひとつのグローバルな第三セクターである。」(レスター・サラモン)
4.「協働連創」論
「みんなでやったほうが上手くいく」という考え方
5.あたらしい民主主義の模索
討議デモクラシーとは何か
6.8つのパラダイム転換
①世界金融資本主義から地域生活経済主義へ
②GNP(国民総生産)からGNH(国民総幸福)へ
③人口増大から人口均衡へ
④環境破壊から環境改善へ
⑤物量重視から質量重視へ
⑥利他労働から自己実現へ
⑦アクセク(時間奴隷)からシャクシャク(時間楽民)へ
⑧フォロワーからボランティア(自律的市民)へ
■大阪ボランティア協会ミッション宣言■
大阪ボランティア協会は、より公正で多様性を認め合う市民主体の社会をつくるために、多彩な市民活動を支援するとともに、他セクターとも協働して、市民セクターの拡充をめざします。
私たちは、市民主権が機能している真の民主主義社会においては、公平を旨とする政府・行政(第1セクター)や営利を行動原理とするビジネス(第2セクター)だけではなく、非営利と公益を掲げる市民セクター(ボランティア、 市民活動、NPO・NGO など)の働きがとても重要だと考えています。
市民セクターが成長し、力をつけ、システムとして機能的に働くことによって、より民主的で公正・平等、多様性を重視する社会が築けるのだと確信しています。
この「ミッション」にもとづく具体的な目標を、以下の3点に集約しました。
(1)市民自治の確立
私たちは、市民セクターの行動原理として、市民自治を追求します。
市民自治の原則とは、一部のエリートや専門家などが主導するのではなく、市民自身、当事者自身が企画・実行し、社会状況に応じて変化させていくものです。当協会の運営においても、あらゆる場面で、市民自治を実行します。
(2)創造的に社会を変えようとする人たちの支援と変革の実行
私たちは、行政や企業だけではできない新しい価値観にもとづいた行動や新しい社会的取り組み、すなわち「社会的イノベーション」を支援し、自らも実行します。
「社会的イノベーション」とは、社会的課題を解決するためのさまざまな新機軸の創出を意味します。マイノリティの生活改善・生活向上や持続可能な生活様式の提案など、多様な市民の手による社会的イノベーションを支援するとともに、当協会も積極的に提案、実行します。
(3)市民の力が発揮されるための支援
私たちは、市民がさまざまな能力を創造的に発揮するための支援、すなわちエンパワメントを進め、それを協会内部においても推進します。
市民にとってより暮らしやすい社会を実現するためには、市民自身のパワーアップが不可欠です。
そのパワー(実行力)は、私たち自身の中にあり、それを引き出すのが「エンパワメント」です。私たちは、市民をエンパワメントする環境づくりを支援し、自らも実行します。