大川端だより(320)


9月も十日を過ぎ、朝晩は秋の気配が濃くなってきました。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私は9月は講座系の仕事が多く、楽しんでいます。


本日「市民プロデューサー通信」第154号を発行。
下記の記事を書きました。


また、2本のイベント&講座の告知も載せています。



■ 黒ビールでも飲みながら・・・・131

  
 「協働」と「自治」について学ぶ


▼ぼくが講師として呼ばれるテーマは、市民ライター&書き方講座系、
NPOの広報・情報発信系、団塊世代の社会参加系、そして市民プロデ
ューサー系等が多いが、最近、協働系というか、市民との協働について
行政側からアドバイスやレクチャーを求められるケースが出てきた。


▼先日は、ある自治体の研修センターから、30分のショート・レクチャー
と、自治体職員とのディスカッションに参加して欲しい旨の依頼があった。
なぜ、そんな依頼がぼくにあったのかというと、「月刊地方自治職員研修」
という雑誌に書かせてもらった「あなたたちは“公務員市民”である」と
いうタイトルの拙文が担当者の目に留まり、「市民(活動)の立場から
“協働”についてアドバイスをして欲しい」とのことだった。


▼ぼくは自分自身が最初に社会に出たのが地方自治体職員としてだった
ので、公務員バッシングが激しいこの時代に、彼らは何を考えているのか、
興味があったし、彼らが市民との協働にどれほど真剣なのかも確かめたい
と思い、8月下旬にその研修センターへ出かけていった。


▼ある県のいろんな基礎自治体から集まった「政策形成」について講師を
務める中堅幹部12名と、ぼくと同じ立場でアドバイスを求められるまち
おこしのリーダーが1人というこじんまりした会合だったが、みなさん
見識のある立派な地方自治体職員で、真剣にこちらの言うことを聞いてく
ださっていた。ぼくはその3時間のセッションとあとのクエスチョンタイ
ム、そして飲み会にも参加させてもらったのだが、印象的だったのは、手
探りではあるが、皆さん市民との協働を真剣に求めておられるように感じ
られたことだ。


▼ぼくが一貫して主張したのは「公務員もまた市民である」という
単純なもので、ふつうの市民による自治こそが自治の本旨だという
ことである。明治維新以降、脱亜入欧を目指して、中央集権国家に
なる前の日本の地方は、どことも住民の自治によって地域経営を
していたのである。


▼経済と労働力の右肩上がりの時代が終わり、“右肩下がり”の
経済縮小と人口減少の社会が始まっている。そういうパラダイム
転換が起こり、あらためて自治の本旨に返る気運が出てきている。
ところが、パラダイムの転換はなかなかそれとは気づかないもので、
本当にそのことを悟っている人は多くない。今でも、官界、財界、
政界のどこにでも「右肩上がり時代の夢よもう一度」的な言説を
弄する人がいる。


▼ぼくらがつくっている「団塊アクションネットワーク」という市民
グループでは、今度「市民自治について学ぶ」5回連続講座(「広場」
欄参照)を10月11日にスタートするのだが、まだ1ヶ月も先のことなの
に受講希望者が目白押しである。各回30人という定員だが、すでに20人
に達している回もある。市民や自治体職員だけではなく、大学生や
外国人からの申込みもある。


▼これまで「市民自治」を冠した講座というのは寡聞にしてあまり
聞いたことがなかった。しかし改めて、ニーズはあったのだと思う。
パラダイムの転換を鋭敏に感じ取り、自治の本旨に戻る必要性を確信
する人たち。この人たちが市民プロデューサーとして全国津々浦々で
活躍するとき、この社会は新しい相貌を見せることだろう。
                        (thayama)


 ◆体験!フィールドワーク市民塾5◆


 未来ビジョン<新世界とニシナリ>
〜人びとの意識変革から新たな価値観へ〜


かつては最も庶民的で猥雑な歓楽街として、また日雇い労働者の寄せ場
して、「場末」のイメージが強かった新世界(浪速区)とあいりん地区
西成区)。今、これらの地域の「まちづくり」の新しい試みが注目を
集めています。


新世界は大阪の新しい観光スポットや芸術パフォーマンスの場として、
また、あいりん(釜ヶ崎)は、新しい福祉やコミュニティ・ビジネスなど、
まちづくりの実験場として、多くの人が集まるようになっています。
かつてのドヤ街には外国人旅行者も増えて「まち」が大きく変貌しています。


歴史的な経緯から様々な社会問題を抱えている地区でもありますが、
人びとの意識変革によって新たな価値観が生まれ、
社会的課題に対する新しいアプローチを始めています。


まちづくりの新しい風を感じてみませんか。

◆日時 2008年9月28日(日) 10時00分〜16時


◆集合/会場 西成プラザ(100円ショップFLETS太子店3F)
 〒557-0002大阪市西成区太子1-4-3 太子中央ビル3F
【西成プラザ・交通のご案内】
100円ショップFLETS太子店 3F
※地下鉄動物園前4番出口を出て左向かい側または7番出口すぐ
※JR新今宮駅東口から徒歩1分
 入口でスタッフが案内します。


◆講師 ありむら潜さん(釜ヶ崎のまち再生フォーラム理事兼事務局長
            財団法人西成労働福祉センター勤務/漫画家) 

◆参加費 2,000円(昼食代込み)
※当日お支払いください。


◆持ち物など 筆記用具、傘(原則雨天決行)
まち歩きがしやすい服装でお越しください。


◆申込方法 参加申込みは、「体験!フィールドワーク市民塾5」申込み
フォームよりお申し込みください。
※お申込いただいて1週間以内に受付連絡をいたします。連絡がない
場合は、お手数ですが下記まで確認のお電話をお願いします。
※やむを得ない事情でキャンセルされる場合は、
 速やかに主催者までご連絡ください。


◆申込締切 2008年9月25日(木)(定員30名、先着順)
※定員に余裕のある場合は、締切日以降でも受付けます。


◆主催 (福)大阪ボランティア協会 担当:塚本
〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20大阪NPOプラザ100号
電話:06-6465-8391、ファックス:06-6465-8393
Eメール:npo@osakavol.org


※平成20年度大阪市生涯学習ネットワーク事業


◆プログラム

10:00〜11:00 外国人バックパッカーが多いホテル見学と経営者のお話

11:00〜12:00 ありむら潜さん「釜ヶ崎再生のため」のお話

12:00〜13:00 昼食休憩(ビジネスホテル中央)

13:00〜14:30 釜ヶ崎の新しい風を体感するフィールドワーク

14:30〜15:30 グループ「むすび」による紙芝居とココルーム上田さんのお話

15:30〜16:00 ふりかえり

※当日の事務局(大阪ボランティア協会)連絡先
 06−6465−8391(事務所より現地スタッフに連絡されます)



 ◆「市民(地域)自治」を学ぶ連続講座◆

       (平成20年度大阪市生涯学習ネットワーク事業)


 みなさま、

団塊アクションネットワーク(DAN会)」では、
10月より5回連続講座で「市民自治を学ぶ」講座を
開くことになりました。


ご興味があれば、1回のみでも参加可能ですので、
是非ともご参加ください。また、今回のテーマに
興味をお持ちの方に転載いただければ、うれしく思います。


よろしくお願いします。


◆講座の主旨
 これからのまちづくりは、地域でできることは地域で、地域でできないこと
は区で、区でできないことは全市で取り組むという補完性の原則に基づいて、
まず住民自身が身近な範囲での課題解決に取り組むことが大切です。同時に、
この考え方は「地域のことは地域で決めて行こう」「地域でまず取り組もう」
という地域からの自治の精神が根付く必要があります。
 この講座では、「新しい公共」による地域づくりへの第一歩として、
このようなまちづくりの基本となる地域からの自治(市民自治)のあり方を
体系的に学びます。


◆講座の内容:


第1回目:「市民自治とは」
日時:10月11日(土曜日) 13時30分〜16時30分
会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
講師:中川幾郎氏 帝塚山大学法政策学部教授・コミュニティ政策学会理事
内容:分権改革の中での市民自治・地域自治の意義と役割についてお話しい
ただき、2回目以降の学習へと繋げていきます。(総論)  


第2回目: 「自治会は変革する」
日時:10月25日(土曜日) 13時30分〜16時30分
会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
講師:絹川正明氏 神戸市竹の台1丁目自治会長・地域共生研究所所長
内容:地縁団体である自治会は今大きく変わろうとしています。神戸で
「地域情報局」を立ち上げたり隔月発行の「竹の台総合新聞」を
    発行するなど、コミュニティ再生のさまざまな仕掛けを打ち
    出している絹川さんよりお話を伺います。


第3回目: 「まちを元気にする住民のネットワーク」
日時:11月8日(土曜日) 13時30分〜16時30分    
会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
講師:赤井直氏 ひがしまち街角広場運営委員長・千里市民フォーラム会長
内容:千里ニュータウンでは、「ひがしまち街角広場」を拠点にさまざまな
   市民がつながり、新しい活動を生み出しています。また、学校や博物
   館との協働が地域を元気にしています。住民のパワーはネットワーク
   で倍増することをお話していただきます。 


第4回目: 「市民自治と市民参加」
日時:11月22日(土曜日) 13時30分〜16時30分
会場:難波市民学習センター(OCATビル4階)
講師:相川康子氏 神戸大学経済経営研究所准教授・前神戸新聞論説委員
内容:市民自治が実現するためには、市民が主体的にまちづくりやコミュ
   ニティ形成あるいは公共サービス等に、ひいては公共的意思決定に
   関わっていく必要があります。広い意味での市民参加を進めていく
   ためには市民、行政、事業者が何をしたらいいのかを考えます。


第5回目: 「市民自治のこれから」
日時:12月13日(土曜日) 13時30分〜16時30分
場所:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
講師:直田春夫氏 特定非営利活動法人NPO政策研究所理事長
内容:これからの都市が持続可能であるためには、都市のさまざまな活動を
   支える人材が必要です。それは、「自治」=「自分で考え、行動する」
   ことを理解した普通の人々です。そのような人たちがどのようにすれ
   ば増えていくかを考えます。


◆参加費:500円/回
 * 単発の参加が可能ですので、ご希望の講座にご参加ください。


◆定員: 30名 (先着順)


◆主催団体:団塊アクションネットワークhttp://www.dankaiaction.jp


◆お問い合せ・お申込み:
 <お名前、連絡先、ご希望の講座、参加動機・ご質問>
 を下記のいずれかの方法でご連絡ください。
    ○ 電子メール:info@dankaiaction.jp 
    ○ ホームページ http://dankaiaction.jp/lectures/2008.html
    ○ 電話・ファックス  06-6428-1402
 なお、ご連絡いただきました個人情報は、主催者および講師以外の第三者
に提供することはありません。