大川端だより(313)


日曜日の夕方6時40分からスタートの「西の魔女が死んだ」を観てきました。梅田の「スカイビル」という凱旋門みたいなビルの中の映画館でしたが、こじんまりしたなかなかいい小屋でしたよ。アクション大作や感動巨編が好きな人には物足りでしょうが、、ぼくはとてもいい映画だと思います。誰か女の人のブログに、一緒に行ったボーイフレンドが最初から寝ていた、とか書いてありましたが、そういう男子ははらはらどきどきの「インディー・ジョーンズ」でも観ていなさい。


とくに「まい」役の高橋真悠が良い。映画のポスターや予告編で見た時は適役だとは思えなかったけど、実際に映画の中で観ると、手足のひょろ長い子で、思春期の繊細さ、もろさ、感受性の鋭さが「まい」という役柄の中に文字通り体現されていた。祖母役のサチ・パーカーを褒めている映画評が多いけど、ぼくはこの映画の成功は高橋真悠にあると思う。もちろん、サチ・パーカーも上手いし良いのだけれど、主役はやっぱり「まい」ですからね。


この映画はキャスティングがよいと思います。母親役の「りょう」も、ゲンジさん役の木村拓一もいい。西の魔女が死んで、最後にまいと母親が会いに行くのですが、そのときに、ずっとまいに嫌われていたゲンジさんが「ここのじいさんとばあさんにはよくしてもらった」と言うのです。このシーン、キム兄ぃも真悠ちゃんもとても上手かったと思います。確か、梨木さんがダ・ヴィンチの特集で書いていたと思いますが、最後の西の魔女からのメッセージは実はゲンジさんが書いたもの、といううがった読み方をする読者がいたそうです。卓見だと思うけどね。