大川端だより(304)


今日はメーデーである。


『創』という雑誌に雨宮処凛さんが書いている。2006年の「自由と生存のメーデー06 プレカリアートの企みのために」に参加して、「もう天地がひっくりかえるほどの衝撃を受けた」という。プレカリアートというのは聞きなれない言葉だと思うが、下記のような意味である。


プレカリアート(英precariat、仏pr?cariat、伊precariato)とは、
「不安定な」(英precarious、伊precario)という形容詞に由来する語句で、新自由主義経済下の不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者を総称する言葉。国籍・年齢・婚姻関係に制限されることなくパートタイマー、アルバイト、フリーター、派遣労働者契約社員、委託労働者、移住労働者、失業者、ニート等を包括する。主に「負け組」とも呼ばれている。この他に貧困を強いられる零細自営業者・農業従事者等を含めることもある。互いの生を貶めあう際限なき生き残り競争へと人々を駆り立てる新自由主義経済下、自らの不安定な「生」を強いられながらも、その競争への参加を「放棄」する人々は、上記のカテゴリーにとらわれることなくこの範疇に包摂されうる。プロレタリアートと語呂を合わせることで、新自由主義における新貧困層の現実との向き合い方を示している。イタリアでの落書きから始まった言葉と言われる」(インターネット百科事典『ウィキペディア』より引用)


つまり、雨宮さんは日本のプレカリアートたちのメーデー行進に参加したわけだ。その中で若者たちは次のように叫んでいたという。


「生きさせろ!」

「月収12万じゃ生活できないぞ!」

「結婚もできないし、子どもも産めないぞ!」

「家賃払えないぞ!」


「……『格差社会』と言われ始めて間もなかったあの頃、真っ先に『中流』からすべり落ちた若者たちの、逆ギレとも言える切実な叫びとエネルギーに満ちていた。目の前でこの国がガラガラと音を立てて崩壊していくのが見えた。ああ、ここまで来てるのか、と愕然とした」と雨宮は書く。


今日のメーデーも含めて、この連休は日本各地でプレカリアートたちが集会や行進を行うようだ。詳しいスケジュールなどは雨宮処凛のブログ「すごい生き方」(http://www.sanctuarybooks.jp/sugoi/blog/index.php?e=188)に載っているので、ぼくも参加してみようかな、プレカリアートには違いないのだから……。