大川端だより(302)


 「春詠二十一句」



 タイガース絶好調の春爛漫



 (不調の三塁手を思って)

 今岡は今春愁の中なりき



 橋下さん頑張ってるやん老女云ひ



 春愁に飲む真夜中のカップ



 カップ酒飲みつつ春を惜しむかな



 春猫の何とはなしに人に似て



 春の猫あまえておるなその目つき



 咲く花と歩く私と飛ぶ鳥と



 花見客賑やかなかれど犬淋し



 あと幾度見らりょう花の満開魂



 今どきの子ですね祝金いらぬと云ふ



 腰痛を春鈍と名づけ三尺寢



 「家の履歴書」のページ読みおり春の夜



 紅茶旨しさくらを過ぎてつつじかな



 春愁は「長寿地獄」なる子の未来



 親ひとり子ひとり春の大川端



 春愁の景色ながめて高校生



 春といふ季節は嫌ひ中学生



 パトカーのサイレンうざし春深夜



 ユキヤナギ白さの本旨明示せり



(子育ての一応の終息を思ひ)

 きもの着て入学式は卒業式