大川端だより(277)


大阪は正月三が日、事前の天気予報を裏切って概ね晴れて気温もそんなに低くありませんでした。皆さんはどんなお正月を迎えられましたか。本年1年間のご多幸をお祈りいたします。ぼくは一日の日記にも書いたように、「七人の侍」をまた観たり、伯母二人のところへ年始の挨拶に行ったり、初詣に行ったり、といったいつもと同じお正月でした。やろうと思っていた1月に2つある講座のレジュメ作りは案の定できませんでした。


ところで、話はまたまた「七人の侍」のことになるのですが、ノーカット3時間半の映画がなぜ冗長にならず退屈せずに観られるか、ということについて、テンポの良さがあると思います。例えば、最初の配役などを書いた字幕の部分も、今の映画では大体最後になるのですが、この映画では和太鼓の単調な音とともにこれから起こる物語への期待を高めています。この部分も長いようですが、4分ぐらいですし、映画が始まってすぐの野武士たちの騎馬による村の偵察から、村人たちの野武士対策の話し合いと諍い、長老による「やるべし」「侍雇うだ」の意思決定、志村喬の盗人退治と野武士との戦の請負までが大体30分です。そして、七人の侍を集めるさまざまなエピソードがあり、それがまた約30分です。そしてそれからの戦いの準備と実際の戦闘場面がものすごく長い映画です。戦闘の場面は非常にリアルでまったく退屈しません。


この映画はまた名セリフの多い映画です。とくに長老の「やるべし」とか「腹が減りゃ熊だって山を降りるだ」とか「首が飛ぶというのにひげの心配してどうするだ」などは、本当にひとことでそのときの状況を言い表す絶妙のタイミングでの発言です。この古典的な映画をまだ観ていない人がいたらぜひごらんになることをお奨めします。ぼくの知り合いでビデオテープを借りたい、という人がいたら、お貸ししてもいいですよ。