大川端だより(224)

いやあ、昨日はおもしろかった。フィールドワーク市民塾3「軍都大坂の被害と加害〜陸軍造兵廠跡を歩く」の打ち合わせで、武庫川女子大学の三宅宏司教授を訪問したのだが、2時間はタップリ話を聞いた。大著『大阪砲兵工廠の研究』の先生だから、ちょっとカタイ人物を想像していたのだが、とても気さくで話好きの先生で、内容の濃い話が聞けた。市民塾3もとてもよい講座になりそうだ。


戦時中、日本の風船爆弾が太平洋を渡ってアメリカ西海岸まで届いていたという話は知っていたが、そんなものは大して効果がなかった、と思っていた。しかし、けっこう被害を与えており、アメリカ軍部はそのことを極秘扱いしていたという。また、東大阪の町工場群は造兵廠の下請けで、ネジなどのいろいろな機械部品を製造するところから始まったとか、長崎への原爆投下は、東京の造兵廠が小倉に移っていたため、最初は小倉に落とす予定だったのが、雲がかかっていたため、第2目標の長崎になったとか、本当に興味深い話がどんどん出てくる。現在、旧日本軍のことはほとんど話題になることはないが、いろんな分野に軍需産業が及ぼしていた影響は計り知れない。


また、武庫川女子大が日本最大の女子大だとは知らなかった。学生数1万人というのには驚いた。女子大がどんどん共学に転換しているなか、なぜ武庫女はそんなに学生数が多いのだろう。三宅先生に訊くと、「それは経営陣に聞いてください」とおっしゃっていた(笑)。写真で見てもらったら分かるように、この大学は外見的には“質実剛健”という感じである。何となく学生たちも、神戸などのお嬢さん学校に比べると、チャラチャラしたところがなく、地味な感じがする。この大学の人気の秘密はどこにあるのだろう…。