大川端だより(207)

台風が近づいているこんな雨の日にはカレーにしようと思い立ち、昼食の後、近所の阪急ファミリーストアへ。前に買ってあった小さなジャガイモとナスがあるので、タマネギ、ニンジン、シシトウ、マッシュルーム、牛肉などを買う。カレールーも一箱買っておく。ぼくのカレーは全然凝ったものではなく、市販のルーを使って、トマトジュースを加えて作る。


以前あるカレールーのメーカーさんに取材したことがあって、あの固形のカレールーというのは日本独自の発明であるということを知った。インスタントラーメンは日本発の即席麺としてつとに有名だが、固形カレールーも偉大な発明だと思う。でも、あんまり輸出されていないので、世界的には知られていないようだ。でも、こんなに便利なものは早晩輸出されるようになるのではないかと思う。


肉や魚介類、野菜を煮て、固形ルーを入れると出来上がる日本風のカレーは、もはや日本の庶民の食文化を代表するものと言っても過言ではない。子どもの時にキャンプで作るのは必ずカレーだったし、母の日に子どもたちが作ってあげるのもカレーであることが多い。カレー作りは、子どもを料理に親しめるようにする最高の方法だし、家族の絆も固くなるってもんだ。


最近は、市販のカレールーを使わずに、香辛料をふんだんに使って作る本格派の男のカレーなんかを自慢する人もいるが、ぼくはインドのカレーとは全然違うのかもしれないけど、日本の家庭料理としての、野菜や肉がゴロゴロ入った庶民的カレーを作り続ける所存です。…なんて、ちょっと大袈裟な物言いをしたけれど、ぼくには本格的なカレーなんてめんどくさくて作れないだけです(笑)。