大川端だより(204)

7月8日の日曜日は第1回目の「体験!フィールドワーク市民塾」で、「大正区と沖縄のつながり、歴史について学ぶ」とともに区内の沖縄スポットを探索。企画当初は、はたして参加者が集まるのか…との危惧や、二日ほど前には降雨率70%との天気予報だったので、心配していたが、ふたを開けてみると、40人近い参加者が集まり、天候も上々。


最初は、大正コミュニティセンターの会議室で、金城講師が登場するテレビドキュメンタリーのビデオを見たあと、レクチャー「大正区と沖縄のつながり、歴史について学ぶ」からスタート。自分史とからめながら、沖縄の差別と苦難の歴史と大正区の関係を話していただき、参加者にとっては初めて聞くことも多く、大いに啓発される。2時間近い第1セッションのあと、昼食場所の食堂「このみ」へ移動。道々、講師の母校などで立ち止まり話を聞く。


昼食後は、サンクス平尾商店街などウチナーンチュ(沖縄人)の集住地域を歩き、落合下の渡船場から渡し舟で対岸の西成区へ。幅90メートルほどの運河を猛烈なスピードで一気に対岸へ。橋がないのは、船の航行に支障を来たすからだという。川風が気持ちよく、ここまでの行程でかなり疲れていた参加者は一息ついていた。西成側では旧日本紡績西成工場における「女工」さんたちの状況についての説明を聞き、今度は落合上の渡船場から再び大正区へ。


千島公園で昭和山の来歴について説明を受ける。地下鉄工事の土砂や産廃などの瓦礫を埋め、積み上げて1970年ごろ昭和の人工的な新山にしたもので、すでに当ブログでも4月30日に紹介している(http://d.hatena.ne.jp/thayama/20070430)。当初は山頂まで上る予定だったが、道が階段になっているので、車椅子や杖の人もおられ登頂は無理だと判断。大正コミュニティセンターへ戻って暫時休憩。


その後、サンクス平尾商店街入口にある金城さんの学習塾でふりかえりのひと時をもつ。全員にひとり1分の持ち時間で感想を述べてもらう。おおむね「しんどかったけど、とても勉強になりました。どうもありがとうございました」というような感想が多かった。募集チラシにあった「テレビ・雑誌の“沖縄タウン”特集では触れられない、沖縄との歴史・つながりを学び・歩きませんか」とのコピーどおりのフィールドワークだった、という感想も。


ぼくの発言の順番になったとき、次回のフィールドワーク「大阪の寄付文化と繁昌亭」、次々回の「軍都大阪の加害と被害〜陸軍大阪造兵廠跡を歩く」の紹介をした。皆さん、とても興味を示され、詳しいことを知らせて欲しい、とのことだった。今回の受講生は、これまでの市民活動シンパ層とは異なる人たちの参加も多く、「体験!フィールドワーク市民塾」はボラ協の市民講座として新しい地平を切り開くことになるかもしれない。


最後の懇親会まで参加した人数は約半数の20名ほど。写真で見ていただけば分かるとおり、有名な「うるま御殿」で、飲めや歌え、そして踊れ、の大宴会となる。ぼくらスタッフは朝の9時15分に集まり、夜の9時過ぎまで、本当に長丁場で疲れたが、とても充実した1日だった。読者の皆さん、次回はぜひご参加を! 楽しいうえ、とても勉強になりますよ。