大川端だより(197)

子どものころ観た映画でいちばん印象に残っているのはアラン・ラッド主演の「シェーン」である。確か近所のお兄ちゃんか誰かに連れて行ってもらったのだと思う。最初、ロッキー山脈をバックにシェーンが馬に乗ってこちらへ向かってくるシーンを見て「かっこエエなあ」と憧れた。映画館で買ってもらったヒュッテというキャラメルの、日ごろ食べているおやつの味とは異なる、ミルクとバターの風味の効いた美味しさとともに、アラン・ラッドという、いま考えるとそれほどの名優でもないアメリカのスターの虜になった。


いま、500円でかつての名作がDVD化されたものを売っているが、これはものすごいことだと思う。「駅馬車」「禁じられた遊び」「カサブランカ」といった名作が全部500円で入手できる。100本買ってもわずか5万円で世界の名作が観られるのだ。大型画面のテレビで観れば、ちょっとした名画座気分が味わえる。ただうちはまだ普通のブラウン管テレビで、薄型大画面のハイビジョン・テレビじゃないけどね。