大川端だより(170)

昨日の夜遅く、メールマガジン「市民ライター通信」132号を発行しました。下記に私が書いた記事を掲載します。通信の無料講読はつぎのURLからどうぞ!

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┃┃ 黒ビールでも飲みながら(110)
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 あちらこちらに「ほっとか連」や「おせっ会」をつくろう


アメリカに「ニューヨーク・ケアーズ(New York Cares)」というボランテ
ィア団体(NPO)がある。ケア(care)は動詞で「心配する」とか「気にか
ける」、名詞としては「心配」とか「関心事」といった意味である。


▼ホームページによると、この団体は「ニューヨークが直面する重要な社会課
題に対して行動を起したいと考えた友人グループによって結成されたもので、
彼らの目標は、重要な地域のニーズに対して『ほっとかれへん』と思う関心の
高いニューヨーカーたちにボランティア・ベースで関わってもらうことによっ
てうまく解決していこう」というものである。


▼さまざまなボランティア活動及び寄付のプログラムを開発していて、特筆す
べきは、多くの現役の勤労者(サラリーマン&OL)がNYC(ニューヨーク・ケアーズ)
を通して社会的な課題解決のためのボランティアをしていることである。例え
ば、貧困層に極寒のニューヨークの冬を乗り切ってもらうために、古着のコー
トを寄付するプログラムなどがある。


▼ポイントは、ケアする(同じ人間同士として、心配し気づかう)心であろう。
ボラ協の早瀬昇事務局長流に言うと、「ほっとかれへん」である。考えように
よっては、「おせっかい」なのだが、ニューヨークという大都会で「ケアする
心」をボランティア活動という形で実践に移す機会を現役のサラリーマンなど
に提供しているところがスゴイ!


アメリカ人はよく、「Who cares ?」という言い方をする。例えば、どこか
の国の国会議員選挙について誰かが話題を出したとすると、そのことに関心の
ない誰かが「誰がそんなことに興味があるねん?(Who cares?)」と言う。そ
うすると、別の一人がその話題提供者の例えばTomを指して、「He dose.」と
か「He cares.」、つまり「トムは関心があるねんで」と答えるというような
シチュエーションである。


▼「何々ケアーズ」という名称は、ほかにもいろいろあるようで、例えば、
「NBA Cares」というのは、全米バスケットボール協会関連の団体で
ある。つまり、「ケアーズ」を付けることによって、われわれの団体はいろん
な社会課題に対して関心がある、心配している、というメッセージを発信して
いるのであろう。


▼それを日本語にして、「阿倍野ほっとか連」とか、「平成建設おせっ会」
などがあちらこちらにできると面白い。つまり、阿倍野に住むぼくらは、いろ
んな社会的なニーズをほっってはおかないよ、とか、平成建設のわれわれは、
「おせっかい」だと思われても、社会の問題に口出ししまっせ、という発信を
し、アクションを起すのである。昔のような、親密だけれど煩わしい共同体が
壊れてしまった今、人間同士が心配し、気づかい合う仕掛けが必要だと思う。