大川端だより(166)

昨日、ウォーキングの途中、「ピースおおさか」(正式名は「大阪国際平和センター」)によった。森ノ宮駅の近く、大阪城公園内にある。はじめてだった。受付を入ったところに1トン爆弾の複製模型が2個展示されているが、かなり大きいものである。元横綱小錦」より二まわりぐらい大きい感じ。こんなのが雨霰と降り注いだのかと思うと、造兵廠が焼け野原になったのもよく理解できる。


また、初めて焼夷弾というものの実物を見た。六角形の金属の筒で、大きさは、直径8cm、全長50cm、重量は2.4kg程度。中に油脂や黄燐が詰められている。民家を焼き払うためのもので、アメリカ軍は、実際に木造の民家をこしらえて、焼夷弾による燃焼実験を行って効果を確かめた上で、使用したようだ。


展示室が三つあり、展示室Aのテーマは「大阪空襲と人々の生活」、展示室Bは「15年戦争」、そして展示室Cが「平和の希求」である。Aだけ見た段階では、被害者性を中心に展示している、と思ったが、Bを見ると、日本の侵略性、加害者性もある程度押さえてあるように思った。


いろんな展示品やビデオの映像で、戦争の悲惨さがよく理解できる。例えば、真珠湾攻撃の翌日のアメリカの新聞の1面が展示されているが、大きく「WAR!」と書かれた見出しに当時のアメリカ人の驚きと怒りがよく伝わってくる。


ぼくら戦後すぐに生まれた世代は、親の世代から散々戦争の恐ろしさ、悲惨さ、苦労などを聞いているし、戦争映画などでもイメージは大体掴めているが、やっぱり本当の焼夷弾や1トン爆弾のサイズや形は実際に目にしないと実感できないものである。どんどん戦争体験者がいなくなっていく時代になっているので、このようなミュージアムの存在は貴重だと思う。ぜひ、みんな(特に若者)に見て欲しいものである。


ただ残念なのは、事務所に許可をもらわないと、展示品の撮影が禁止されていること。もっと自由に撮らしてくれたらいいのに…。わりと簡単に許可は取れそうだが、時間がなかったのと、書類を書くのがわずらわしいので、写真は撮らなかった。次回は撮るようにしよう。