大川端だより(121)

メールマガジン「市民プロデューサー通信」第130号を発行。ぼくも下記のような記事を書きました。通信の定期講読(無料)は、http://capnews.hp.infoseek.co.jp/index.htmlよりお願いします。


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┃┃ 黒ビールでも飲みながら(109)
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 「これからのインターミディアリー(中間支援組織)の役割」


▼ぼくが常任運営委員として関わっている(社福)大阪ボランティア協会は、
民設民営の中間支援組織である。完全な民間の市民団体としては、日本で最も
古いインターミディアリーの一つであると言っても過言ではない。


▼現在、全国でさまざまな形態の「NPO支援センター」とか「市民活動サポ
ートセンター」といった名称の組織が生まれており、それらは公設公営だった
り、公設民営だったりする。つまり、いろんな地方自治体が競争するかのよう
に、NPO/NGOやボランティア・市民活動を支援するための組織作りを進
めているのである。また大学でも、学生のためのボランティアセンターを設置
するところが増えている。


▼これらはいずれも、直接なんらかのボランティア・市民活動、またはNPO
の活動をするわけではないから、「支援センター」であり、仲介的な組織であ
る。そしてその仕事は「調整(コーディネーション)」が主だった。また、中
で働く人たちは、コーディネーターとしての役割を期待されていた。しかし、
それだけでは心もとない時代になってきているように思う。


▼これからの中間支援組織には、二つの働きが期待されているのではないだろ
うか。一つは、ファシリテーターとしての役割、二つ目はプロデューサーとし
ての役割である。


ファシリテーターとしての中間支援組織の役割は、単なる調整や仲介に留ま
らず、ボランティアやNPO、行政や企業の、市民セクターを拡充していくた
めの活動を励まし、促進していくことである。


▼そして、プロデューサーとして、中間支援組織はさまざまな活動や協働を創
り出していくことが求められている。これまでインターミディアリーの役割は、
自ら具体的な課題解決のための行動をするのではなく、仲介者としての分限を
わきまえ、各個人や市民団体に活動を委ねるべきだと考えられてきた。


▼しかしこれからは、俳優(ボランティアやNPO)のように舞台に立って芝
居はしなくても、公演をより素晴らしく感動的なものにするために、つまり、
市民セクターをより大きく、より質的に充実したものにするために、積極的な
働きをすることが求められているのではないだろうか。(thayama)