大川端だより(56)

今年は本当にウオーターレタスが多い。ウォーターレタスは、サトイモ科の浮遊性水草。生命力が旺盛で、夏になると多量に繁殖して水面を覆う。丈夫で雑草化するため、本年2月に外来生物法によって「特定外来生物」に指定された。日本の生態系を破壊する恐れがあるとのことで、栽培や販売が禁止されている。日経ネット関西版は、次のように伝えている。


「淀川河川事務所によると、ウオーターレタスが大量に発生するようになったのは5年前ごろから。観賞用に栽培していた株が捨てられ、繁殖したのが原因とみられる」。また、「ウオーターレタスが水面を覆うと、日光が遮られて水中の酸素不足を起こすため、生物の成長に悪影響を及ぼす恐れがある」。淀川河川事務所では、「船を出して手作業で集めたり、岸からクレーン車ですくい上げて除去しているが、焼け石に水で、『1月ごろ、寒さで枯れるのを待つしかない』」とのことである。


外来動植物の侵入は、結局、日本人自らが招いたこと。しかしまた、逆に考えれば、日本列島の歴史は「外来動植物侵入史」と言っても過言ではない。第一、元来、日本人自身が外来動物のひとつなのだから。ひょっとしたら、この列島に対していちばん悪行をなしたのはわれわれ人間かもしれないなあ。