大川端だより(52)

コートなどを作るために動物の毛皮を剥ぐとき、生きたまま剥ぐ、と聞いたので、まさかそんなことはない、と思った。それで、実態を知りたかったので、ネットで調べてみた。「毛皮は必要ですか」(http://homepage1.nifty.com/96iruka/hoka/animal_fur.htm)というサイトは、興味本位ではなく毛皮産業の実態を書いているように思う。それによると、もちろん殺してから皮を剥ぐのだが、そのときに棍棒で叩いて殺したりするそうだ。だから、死んだと思って皮を剥いだら、実は気絶していただけで生きていた、というようなケースもあるという。

人間というのは本当に業の深い生き物で、毛皮反対運動をしている人の中にもビーフステーキが大好物、なんて人もいるのだろう。クジラもチンチラも、肉牛も、米も麦も野菜ももみんな生命なのだから、それを殺して自分たちの命を永らえざるを得ない人間には原罪がある。しかし、できれば、お洒落のためや、お金のあることを誇示する目的だけで、動物の毛皮を着るなんてことは止めた方がいいのではないかとぼくは思う。