ベ平連時代のぼくの原点

二十歳代前半にベ平連ベトナムに平和を!市民連合)の反戦運動に関わっていた。南大阪ベ平連という名前のグループで、関西では有力ベ平連の一つだったと思う。そのときに「なんだいべ通信」というガリ版刷りの月刊新聞を出していた。それがぼくの今の仕事や活動の原点みたいなものである。写真は、1968年9月25日(38年前!!!)発行の「なんだいべ通信」第3号。トップ記事をぼくが書いている。文章は下手だけど、言っていることは今とあんまり変わっていないなあ。下記にその文章を掲げておきますので、お暇な方はどうぞ!

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10月に大阪で反戦文化の集いを !
『個』の主張……第一回反戦文化フェスティバルのイメージ
                           吐山継彦

 朝日ジャーナルの予想どうり一九六八年は激動の年になりました。これからもまだまだなにかが起こりそうな気がします。私達はたえず目を大きくひらけ、聞き耳を立てていなければ、なにがどうなっているのかサッパリわからなくなってしまいそうで、なにかこうアセリの様なものを感じてしまいます。まず日本においてエンタープライズ佐世保寄港があり、ついでアメリカ合衆国におけるキング牧師の暗殺、ジョンソン声明、ロバート・ケネディ暗殺があり、フランスでは、あの五月革命といわれている動乱があり、そしてまた私達の記憶の中にナマナマしく残っているチェコ事件、その外、中共における文化大革命の新段階やベトナムにおける解放戦線のうごき等、少し考えてみただけでもこれだけのことがうかんできます。
 これら世界の諸情勢に機敏に対応していかなければならないところに私達のアセリもあるのですが、英国の歴史学者トインビーが次のように言っています。
 「あらゆる民族、あらゆる国籍、あらゆる人間が今日、奪うべからざる人間的尊厳をもつ『人』として我々を扱え、と主張し始めている。」
 また小田実氏の言う、「機械」からの反乱者としての人間、ことばをかえて私達流に言えば、「大いなる権威失墜の時代」又は、「反権威的『個』の時代」とでも呼べるような「時代」が始まりつつあるのだ、ということを感じざるを得ません。
 このときにあたり、私達南大阪ベ平連が主になって「反戦文化フェスティバル」を行なうことに大きな意義を感じています。というのは先程書いた様な「時代」が始まりつつあるというときに、反権威的な私達の行動(反戦運動)の中から生まれてきた、私達の権威的でない、文化庁的でない、商業的でない文化、具体的に言えば、反戦フォークソング、詩、劇、ロールプレイを取りあげることは、今の時代にふさわしいし、そのことによる既成文化への挑戦(できるかどうかわかりませんが)という意味もあるし、ある意味では行動の主体である私達が既成の諸権威から「時代」を先取りするという意味もあると思うわけです。
 フォークソングについては中川五郎君が来てくれますし、私達南大べの自称フォークシンガー達にも歌ってもらう予定でおります。又詩については神戸の片桐ユズルさんや大阪府反戦の「渇望」のみなさんにお願いしています。「劇」は関西ベ平連の青空状況劇団「目玉座」が「霊媒物語」というスライド等も使った非常にユニークなものをしてくれるということで「乞後期待!」ということです。ロールプレイについては私達南大阪ベ平連の者で「反戦」をテーマに、機動隊員、特需工場の工員、ベ平連等に扮して討論する予定です。
 なお今度の「反戦文化フェスティバル」では今までの色々の催しのように、ステージではだれか有名な人が歌っていて、観客はただおとなしく聴いているだけというような舞台と観客席の隔絶は極力避けたいと思っていますので、フォークや詩の飛び入り、ロールプレイの加勢やセンスの良い建設的な野次は大いに歓迎します。貴方に参加していただくための「反戦文化フェスティバル」にしたいと思っています。詳細は次のとうりです。
         記
日時:10月9日(水)午後5時半より
場所:大阪府職員会館(大手前府庁裏)
主催:南大阪ベ平連大阪府職員ベ平連
協賛:関西ベ平連ベトナム反戦大阪行動委員会
カンパ:200円(会場維持費他)